朝。ひと気のない広場をぬけて葡萄畑に下りる。もうもうと土埃を上げて三輪トラックが追い越してゆく。埃が静まると糸杉と葡萄畑が見えてきた。生垣のように低く繁った葡萄棚で、一本だけ高く伸びている。描き始めると、丁度教会の鐘の音が聞こえてきた。