白い石の山全体がひとつの要塞だったというレ・ボーの町。町に入ってまもなく分かれ道がある。山に登る左の道。谷を見下ろす右の道。鉄の柵が「さあどっち?」と詰め寄る。どちらにも行ってみたい。今は決めたくない。立ち止まりもせず行く人々を見送り、全紙を広げる。